■ 作曲家・編曲家 - 木塚二郎 インタビュー以下、音楽専門学校のフリーペーパーに掲載された記事です。 ◆ デビュー作と、作家になるきっかけは?デビュー作は、女性シンガー、鮎川麻弥(あゆかわ・まみ)、5枚目のアルバム収録曲「STAR DUST BLUES」(キング・レコード、1986年)です。当時、彼女が歌った「機動戦士Zガンダムテーマソング」が話題となりました。 初めて自分の曲が収録されたアルバムをいただいたときの感激は、今でも覚えています。 学生時代、バンド活動に明け暮れ、いろいろと力を貸していただいたフリーの音楽プロデューサーに、曲を書いてみないかといわれたのがプロの作家になるキッカケといえばキッカケかもしれません。 ◆ 自分の作品の中で一番好きな作品、思い入れのある作品は?一番好きな作品、思い入れのある作品、というよりは想い出深い作品といったほうがピッタリかもしれません。和田アキ子「Time Goes By」はテレビ東京、1990年放送番組のエンディング・テーマ曲として使われました。日本中、誰もが知っている歌手が歌っている作品です。 作曲家3人に発注して、その中から一番いい作品を採用するという、いわゆる競作ものでした。 ディレクターの注文はマイナー曲ということでしたが、詞の感じからどうしても短調の曲は書けませんでした。そう、めずらしくこのプロジェクトは詞先だったんですね。詞に何度も変更があり、メロディーもそのたびに書き直し、最終的にアッコさんご本人が選び、運良く採用されることとなりました。 ◆ 作品の構想はいつ、どのように練りますか?ほとんどの場合クライアントがいて、誰のためにこういう雰囲気の曲を作ってくださいということが多いので、まずは徹底的なリサーチから始めます。 そのシンガー、アーティストが過去にどのような作品を発表してきたのかはもちろんのこと、声域のどのあたりが一番よく響くとか、声にどういう特徴があるとかを研究します。そして、そのヴォーカリストを一番活かせるメロディーは?曲の全体感は?と想像を膨らませていきます。 アイデアは、かえってピアノとかに向かっていないときのほうがなぜかひらめきます。 ◆ 作品をつくる際に心がけていることは?どのようなスタンスでその作品を作るかということでしょうか。 作る人間はひとりですが、オーダーされたものをキッチリ作る職人としての自分と、みずからの世界をもつアーティストとしての自分が常に心の中にいます。これらふたつの自分がうまくバランスを保って作品に反映されると、おそらくよいものができるに違いありません。でも、これはなかなかむずかしいことです。 ◆ 作家になってよかったと思うこと、またその逆があれば。よかったと思うこと、、、 スポーツ選手であれば引退、会社員であれば定年、そういったどうしてもある時点で止めなければならないということがないということでしょうか。望めば生涯、音楽をつづけられるということは幸せなことです。それよりも、音楽制作に携わっていられること自体たいへんありがたいことです。 よくなかったと思うこと、、、 平日、昼間。コンビニでチョットお買い物。こいつ、仕事もしね〜でぶらぶらしてんじゃね〜よ、という視線でたまに見られてしまうこと。スイマセン、自意識過剰でした。 ◆ 抱負と期待。生徒の上達、成長のために精いっぱい励みたいと思います。作品作りは、多くの人とのコラボレーションで成り立っています。ひとつの才能が違う才能と出会って、さらにもうひとつの才能が加わってゆく、、、。数多くのすばらしい作品が生まれることを期待しています。 ◆ これから作家を目指す人へのアドバイスを、、、。自分で壁を作らないこと、自分を信じきること。 納得のいく作品がデキナイとたまに相談を受けることがあります。これではデキナイというマイナスの暗示を自分自身にかけてしまっているようなものです。今までにはなかった壁を、ほかでもない自分で作ってしまっていることと同じです。それよりも、いい曲ができそうな気がする、よい詞が書けそうな気がする、そう思ったほうがワクワクしてきませんか。なにごともやってみなければわかりません。 新作は、傑作かもしれません。どうせなら、プラスの暗示をかけてみてはいかがでしょう。自分の力はここまでかな?と思った瞬間、あきらめた瞬間、そこで終わりです。最後まで自分自身を信じきってください。 すべては心の問題です。 |